2025/08/10 12:49

こんにちは、農家のとまり木屋です。
ついに、イチョウの天然木を使った“1点もののとまり木が完成しました。

ここでは、出品までの一連の作業を写真とともにご紹介します。


1.伐採(採材)

梅の剪定は冬に行うため、それ以外のシーズンは庭のイチョウや畑の防風林の木を伐採し、素材として適した枝を選びます。

曲がりや凹凸も“味”として活かせるよう、仕上がりを想像しながら素材取りをしています。

2.切断(約20cm)

伐採した枝をおおよそ20cmに切断します。
少し曲がりや凹凸のある部分は、鳥の足に良い刺激になると考え、切断位置にもこだわっています。

3.洗浄・浸水

切断時に出た木くずを洗い流します。
虫食いなどは切断時に確認していますが、内部や樹皮のすき間に入り込んだ虫を追い出す目的で、洗浄後に浸水処理も行います。

4.煮沸消毒

木材の病害虫を防ぐため、煮沸消毒を実施します。

イチョウ自体に有害物質はありませんが、梅などバラ科の樹皮には「アミダグリン」という物質が含まれており、加熱により分解・無毒化されるため、梅のとまり木を扱う当店では必須工程としています。


5.天日干し(→陰干し)

煮沸後は天日で水分を飛ばします。
ある程度乾いたら、風通しの良い軒先などで陰干しを行い、ゆっくりと含水率を下げていきます。

6.ネジ(ハンガーボルト)の取り付け

乾燥が進み、叩いたときに軽く高い音がするようになったら、ネジの取り付けへ。
ドリルで下穴を開け、片側が木ネジ、反対側がボルトになっている“ハンガーボルト”をねじ込みます。
コストはかかりますが、鳥かご内でのサビを避けるため、素材はステンレスにこだわっています。(原価の多くを占めるパーツです…)

7.仕上げ乾燥(高温で一気に)

天日では抜けきらない水分を、食器乾燥機を用いて高温で一気に仕上げ乾燥します。

8.商品撮影(1点ものを“そのまま”掲載)

撮影は自宅の和室で行っています。
天然木の一点ものとして、それぞれの枝の個性(曲がり・凹凸・太さ)が分かるよう、すべて個別に撮影。サイズ感が伝わるよう工夫し、“S/Mの見本写真のみ”ではなく、届く現物を見て選んでいただける形にしています。


おわりに

以上が、とまり木が生まれてから出品に至るまでの流れです。
自然の形を大切にしつつ、衛生面と使い勝手に配慮した一本を、写真を見比べながらお選びください。ご感想やご要望もお待ちしています!